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【結の家(むすびのいえ)】
自宅兼オフィスの隣に計画された、この小さなセカンドハウス。
ここは単なる離れではなく、
近しく住まう親族や3世代の家族が緩やかにつながる“結(むすび)”の場として構想されました。
「結」という言葉には、
人と人を結ぶ、縁を結ぶ、時間を結ぶ、
そして暮らしそのものを次代へ“むすび継ぐ”という
日本の豊かな精神性が宿ります。
ささやかな生活の積み重ねの中に、
家族の絆が自然と深まっていくような場所でありたい――
その願いが、この家の名前に込められています。
敷地は旗竿地で、南面の開口が限られ、隣家に囲まれやすい条件でした。
しかし、この複雑な敷地形状は裏を返せば、
建物のまわりに4つの独立した“余白(スペース)”が生まれる可能性を秘めています。
そこで建築は、この土地の個性を最大限に“使い切る”ために、
3つの庭と物干し場を巧みに配置し、
情緒ある風景と使い勝手を無理なく両立させました。
* 南の庭:もっとも光が得られる場所に設けた、明るく開放的な庭。
* 中庭:旗竿地で暗くなりがちな中央部に光と風を届け、住まいに奥行きをもたらす庭。
* 北の庭:静けさと落ち着きを感じられる、影の質感が美しい庭。
これらの庭が、平屋の内部へ柔らかく光と気配を流し込み、
日々の行為に寄り添う“結び目のような小さな体験”を生み出します。
家族が訪れ、滞在し、語らい、時に一人で過ごす場所として、
この家には多様な時間が静かに流れ込みます。
「結の家」は、
変形地であるからこそ生まれた複数の庭を編み合わせ、
3世代が自由に集い、つながり、また離れながらも
心地よい距離感で暮らしを“結び合わせる”ための住まいです。
ここで育まれる関係性が、
やがて未来の家族の記憶へとやさしく結ばれていく——
そのような願いを込めて設計しています。
性能概要
耐震
・耐震等級3(最高等級) の 2.91倍の耐震性能
・中地震の安全性
:許容応力度計算法により各部位毎に確認
・大地震時の安全性
:保有水平耐力計算法により各階の地震せん断力に対しての保有耐力を確認
断熱
・断熱等級6+の断熱性能
UA 値 0.46
・断熱等級7の日射遮蔽性能
省エネ
省エネルギー等級 6 (HEAT20 G2相当) の1.36倍の省エネ性能ゼロエネルギーの建物
内部結露
夏冬ともに内部結露対策済
最新の研究知見の活用
・耐震シミュレーション (時刻歴応答解析)
・パッシブデザインの活用
・温熱シミュレーション(非定常計算による 24 時間 365日のシ
ミュレーション)
伝統の職人技術の再現
・佐官職人による「漆喰(内壁)」
・建具職人による手仕事の木製建具
現代の匠の技術
・一品生産の手仕事の家具
・様々な木材を使用し特性を活かした用途設定と表現
・現代の匠大工による芸術的な細部の納まり
特別な素材
・高性能な木製窓
・稀少材のビンテージオーク材乱貼の床
・一生涯保障の断熱材アイシネン
・環境負荷のすくないドイツ製の自然塗料
・調湿作用を確保しながら、水拭き可能なオリジナルの漆喰