





























































閑寂の雨音と、移りゆく季節を涵養する平屋。
【秋霖の家(しゅうりんのいえ)】
「秋霖(しゅうりん)」とは、秋の長い雨のこと。
夏から秋へと季節が移り変わるころ、空を覆う雲から静かに、途切れなく降り続く雨を指します。
和歌では古くから、
“静けさ”や“ものの移ろい”を感じさせる情緒深い季節語として詠まれてきました。
激しく降りつける雨ではなく、
生活の背景にしっとりと流れる、気配のような雨。
それは、自然が次の季節の準備を始める合図でもあります。
敷地面積、約80坪で住宅地に位置します。
敷地条件を読み解くと、
南側の家からは距離をとれる一方、西側道路は生活の道路としの喧騒を運んできます。
そこで建物は東の空へ向かって静かに開いていくL字配置とし、
庭を包み込むように構成しました。
この配置により、
外部から守られた「家族だけの庭の風景」が生まれ、
光の入り方や風の通り道、視線の抜けまでが緩やかに調和します。
日々の暮らしの中で、庭が季節をもっとも豊かに伝えてくれる場となります。
また、この家は雨との付き合い方そのものにもこだわりました。
雨樋を極力なくし、地面に“雨落ち”を設け、
雨が落ちる音・広がる波紋・湿りゆく土の匂いを、
建築の一部として味わえるようにしました。
秋霖の季節には、
しとしとと連なる雨の向こうで、
庭の花々が色を深め、葉が濡れ、光がやわらかに反射します。
そこには、
物事の終わりと始まりが静かに混ざり合う、移ろいの美しさがあります。
「秋霖の家」は、
その変わりゆく季節の気配とともに、
心を整え、感性が静かに研ぎ澄まされていくような暮らしを願って設計されました。
性能概要
耐震
・耐震等級3(最高等級) の 2.58倍の耐震性能
・中地震の安全性
:許容応力度計算法により各部位毎に確認
断熱
・断熱等級6+の断熱性能
UA 値 0.46
・断熱等級7の日射遮蔽性能
省エネ
省エネルギー等級 6 (HEAT20 G2相当) の1.2倍の省エネ性能ゼロエネルギーの建物
内部結露
夏冬ともに内部結露対策済
最新の研究知見の活用
・パッシブデザインの活用
・温熱、構造シミュレーション
伝統の職人技術の再現
・佐官職人による「漆喰(内壁)」
・建具職人による手仕事の木製建具
現代の匠の技術
・一品生産の手仕事の家具
・様々な木材を使用し特性を活かした用途設定と表現
・現代の匠大工による芸術的な細部の納まり
特別な素材
・高性能な木製窓
・稀少材のビンテージオーク材乱貼の床
・一生涯保障の断熱材アイシネン
・環境負荷のすくないドイツ製の自然塗料
・調湿作用を確保しながら、水拭き可能なオリジナルの漆喰